留学寮に入ったときに、部屋の契約というのがあった。あんまり内容は覚えていないが、賃貸期間と、月々の料金やその他もろもろの条件について、契約を行うことになる。
たまたまだが、この寮は短期契約も可能で、しかもホテルゾーンも同じ建物内にあったから、入居人もいろいろな人がいたのだ。
受け付け寮の管理人おにいさんに契約様式をもらって、部屋で書くことにした。
最初に部屋の中に備え付けの備品を確認。
机、椅子、机の上のランプ、引出し、ベッド、ベッドの横のランプ。なぜか部屋の天井にはランプの類がまったく無かった。
で、月額料金を確認して契約にサインをしようと思ったのだが、サインの横になにやら空欄がある。
よく見ると、その欄には契約時に既に壊れているものがある場合に記入する欄だった。
ココに最初に記入していないと、後で退去するときに僕がこわしたものとみなされて相応支払負担をせまられるのであろう。
なにか壊れているものはあるのか?
よくみると壁は平らではなく、画鋲を刺したような細かな穴がぶつぶついっぱいあいていた。これを数えて記入した。
「壁に細かい穴 162 箇所」
カーペットにも染みがある。これも数えた。
「カーペットの染み 32箇所」
穴やら、染みやらを数えるのはなかなか大変だ。念のためもう一回数えると数か合わない・・・なんどかやってみたが、何度やっても違う数となった。
が、もう書いてしまったからいいや。そう思って受け付けに戻って、契約書を提出した。
受け付けの白人のおにいさんは、僕から書類を受け取って、内容を見ると
「ふぅ~~~~~~む・・・・・・・・」
といって、しばしなにやら考えた上で、ややあきれたようにこういった。
「オーケー。わかったよ。」
めでたく、契約完了。その後、壁の穴やらカーペットの染みやらについて、何かを言われることはなく、退去時にも全く何もなかった。
今、思うに、きっとあの程度の壁の穴やら、カーペットの染みは、部屋の使用に差し障るようなものではなく、そもそもアメリカ人にとっては問題点にもならなかったんだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿