朝、2人部屋モーテル4人でチェックアウトし、僕たち(タイ人アマンパ、韓国人ミスター・パク、日本人シンゴと僕の4人)はレンタカーを南に向って走らせた。
ロングビーチで、豪華客船クイーン・メリーを見学して、ヨットの並ぶマリーナの前にあるメキシカン・レストランで春巻きのようなシーフード・エンチャラダを食って一泊。(もちろん、例によってモーテル2人部屋に4人宿泊。)
翌日、さらに南に走って、サン・ディエゴに。センター・シティーを一周してストリート・ベンダーのタコスを食った。明確に道行く人々の言語は、英語よりスペイン語の方が多くなってきた。
やってきたハイウェイをそのまま南に進んでいると、車の左右には、ヤシの木が並び、庭先にプールがある優雅な家々がつらなっている。
すごいねぇ~と運転をしていたそのとき、前方に緑の行き先掲示板が見えてきた。
緑に白字で、大きく
"Mexico"
と書いてある。
「どうする?」
「まあ、パスポートもないからどうせ入れないけど、国境でも見てくるか?」
とまあ、そういうことになった。日本人シンゴだけは黙ったままだった。
その後、もう1、2回
"Mexico"
という表示が出てきたが、こっちは国境を目指しているでそのまま直進。
が、そのまま運転していると、急にウソのようにあたりの景色が変わってしまった。
さっきまでの芝生にヤシの木とプールの邸宅がなくなり、あたりは赤茶けた乾燥したなにもない大地が左右に広がっている。
「ぇえぇ!?」
僕は国境を越えてしまって、別の国に入ってしまったのを本能的に感じていたが、理性はまだ『検問も何も通過してないし・・・』とも思っていた。
しかし、そのまま道なりにハイウェイからつながる高速出口のような下りの右カープをまがり終わると、絶対アメリカではない小さな町がそこにあった。
赤茶けた土の色、人々の服装、道路と看板・・・信じられないくらい何もかもがさっきまでとは違っていた。メキシコ国境の町、ティファナだった。
僕はパスポートを持たないまま、アメリカからメキシコに入ってしまったというとんでもない現実にどうしていいのかよくわからないまま、ティファナの町を運転していた。
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