僕たち4人(タイ人アマンパ、韓国人ミスター・パク、日本人シンゴと僕)は、パスポートがないため、メキシコ・ティファナからカリフォルニアに入国する際に保安官につかまり、国境保安官事務所とでもいうべき白い建物に移された。
その白人の保安官はなかなか落ち着いていた。
「さて、パスポートはないのか?」
「ないです」
「パスポートがないと通すわけにはいかない」
ここで、タイ人アマンパが、大学のIDカードを出して見せながらさけんだ。
「見てくれ、僕たちはアメリカの大学の学生だ。通してくれ!!」
続いて、ミスター・パクも続いた。
「見てくれ。僕も大学IDを持っている。ちゃんと学生ビザもとってアメリカに住んでいるんだ!!」
すると保安官は、シンゴと僕の学生IDも順番に確認していこう言った。
「なるほど。学生visaの交付を受けて合衆国に滞在していることであれば、学生IDを使ってここの端末で学生VISAの状況を確認することは可能だ。」
「やったー!!」
「ただし、学生VISAの確認手続きには一人当たり70ドルのチャージがかかる。
大学IDを使って検索してやるから、一人70ドルずつ出してくれ。」
さっきメキシコ警官にカツアゲされたせいで、そんなキャッシュはないのは全員よくわかっていた。そこで僕は聞いてみた。
「カードは使えますか?」
「カードは使えない。キャッシュのみだ」
大学IDが効いているのか、言葉とは裏腹にこの保安官さんからは、僕たちの状況にある程度理解と同情をした上で、でも守るべきルールを守っているように感じられた。
今度は韓国人ミスター・パクがチャレンジした。
「通してくれたら、後で金を下ろしてもってくるけどどうだ? 今はもってないけどATMがあれば払える」
「だめだ、確認できないまま先に通すことはできない」
今度はアマンパが懇願した。
「ティファナの町にはATMはなかったんだ。だから、ティファナに戻っても70ドル出してこられない」
「とにかく、この場でUSドルで、70ドルのキャッシュがないとVISAの確認をすることはできない。」
「・・・・」
ここで金欠のために八方塞がりか・・・。
さっさのメキシコ警官のカツアゲがこんなところで祟ってくるとは・・・。
つづく
(次回、奇跡の国境突破)
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