2009/02/05

ATMで黒人の子供たちに囲まれる

聞くところによると当時、僕の住んでいた留学寮のある町は、全米犯罪率1位だったらしい。

そんな理由もあってか、僕の体験したダウンタウンの様子は通常の米国留学者が体験する郊外の美しい緑に囲まれたキャンパス、というような状況ではなかった。

たとえば、ATM。

日本で、銀行ATMオンリーの出張所では銀行カードがなくても、とりあえず建物の中に入れるが、近所のATMは、まずドアのところで、その銀行のカードを入れると鍵が開き、そうして初めて建物に入れるようになっていた。

〔ちなみにコンビニ内のATMにはこういうドアはなく、普通に店内にマシンが置いてあるだけだ。〕

ある日の昼間のこと。

お金を下ろすために、とある誰も中にいないATMの建物に入って、ATMからお金を取り出したとたん、背後で大きな物音が聞こえてきた。

ダンダンダンダン!!

振り向くと、小学生くらいの黒人の男の子が5人、入り口ガラスのドアをゲンコツでたたきながらなにやら叫んでいる。

彼らの興味が僕がATMから下ろしたキャッシュにあるのは明らかだった。

もちろん彼らは銀行カードをもっていないので、建物の中には入ってこられない。

なるべくゆっくりお金を財布にしまいながら考えた。

建物の中は安全だ。このまま出ずにこの4畳半くらいのATM以外に何もないガラス張りの建物内に居続けて待つか???

でも、そんなことをしたらキャッシュを持っているのが明らかな上で、あの男の子たちに僕がビビッているのがバレバレだ。

どうするか・・・・

まだ、昼間の2時くらい。彼らはいくらでもドアの前に待っているかも・・・。

出たらすぐ大通り。人通りも見える。

意を決して、財布をポケットにしまい、なるべく胸を張ってドアをあけた。

つとめて平静を装って子供たちを一瞥すると彼らは黙って道をあけくれたので、そのまま大通りを歩いていった。

僕には振り返る勇気はなかった。

今にして思う。彼らは、いい子たちで単にいたずらでドアをたたいていただけかも、と。



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