「じゃあ、最後にセキュリティー・カードを僕に返して行ってくださいね。」
するとVさん、ちょっと、いたずらっぽい顔をしながらこういった。
「ごめんなさいね。トイレでなくしちゃって、無いの。ごめんね。」
うふふ、っていう感じ。
Vさんって、実はかなり偉い人なのだが、こんなときには全然そんな感じがない。
僕は「うふふ」に負けて簡単に彼女を許してしまった。
が、Vさんが帰った後で、このことを伝えると秘書コズエさんが膨れて言った。
「えーっ!! も~!! あのカード三枚目よ!!」
僕もびっくり。
「えっ、そうだったんですか?」
「トイレでなくしたっていうから、二回も新しいカードを渡したのに~。」
そうかぁ、Vさんは一週間にトイレで三枚紛失。
でも、僕の心の中ではなぜかコズエさんの膨れっ面よりも、Vさんの「うふふ」が圧勝していたのだった。
なんでなんだろ。
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