2009/03/22

フィレンツェのパル

チューリヒから夜行列車に乗って、早朝フィレンツェについた。

そう言えば、ミュンヘンのユースホステルで会ったブラジル人から、

「イタリアに行って腹が減ったら『パニーニ』を探せ。イタリアでは『パニーニ』とはいえばサンドイッチのことだ。」

と言われていたのを思い出す。

フィレンツェ旧市街に入って、狭くフィアットしか走れそうもない石畳の道をあるきながら、なにか食い物がありつけそうな店はないものかと探した。

道はどうやらドゥオモに対して、楕円を描くようにカーブしており見通しが悪く、歩いてみてもどうも方向がはっきりしない。

と、ようやく早朝にもかかわらず開いているカフェのような店を発見した。

店のカウンターで、僕の発した「パニーニ」という注文はあっさり聞き届けられた。

席について、チーズの入ったパニーニに喰いつきながら、店内を観察した。

コカコーラの缶が窓辺に置かれて500リラと書いてある。

メニューにはカプチーノなどならんでいるが、金額は全部500の倍数ばかりだった。

店の奥では、2、3人のおやじがカウンター越しになにやら話し込んでいる。

もしかして、これは「パル」なのか?

そういえば、留学寮にいたときにあるイタリア男Rが「アメリカにはパルがない」と一席ぶったことがあった。

「パルって、つまりバーにことだろ。アメリカにいくらでもあるじゃん。」

「ちがう! アメリカのバーやカフェは飲みものが出てくるだけじゃないか!!」

質問する僕らアジア人に対して、イタリア男Rは熱く語ってくれた。

「ちがうんだ。イタリア人にとって『パル』とは、朝、出かける前に寄ってちょっと話をして、帰ってきたらまた寄ってその日の出来事なんかについて話をする、そういうところなんだ。『パル』はイタリア人にとって本当に大事なところなんだ。注文した飲み物が出てくればいいというものじゃない!!」

これが、やつの語っていた本当の『パル』なのか? 

確かに2、3人の男が雑談を続けているのが見えるが、僕には誰も話しかけて来ないぞ・・・。




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