トルコ航空のイスタンブール->アンカラ便はどういうわけか西欧風の客ばかりで満席だった。
チケットによると僕の席は「28A」である。
ところが、通路を歩いていってみると、この「28A」の席にはひげおやじが当然という顔をして座っていた。
話しかけても英語がどうも通じない。
そこで、こちらが持っている「28A」のチケットを見せると、ひげおやじは堂々と自分のチケットを見せつけてくれた。
あんたのチケットは「26A」だ。
頼むから26と28をちゃんと区別してくれ。
ほぼ満席の飛行機の通路に立って、しばしの間、無意味なチケットの見せあいっこをしているとやがて、かなり肩幅のあるブルーのジャケットを着たスチュアートがやってきて、ようやく頑固者のひげおやじをどかしてくれた。
やっとのことで28A席に座ると、隣から妻メグミがこんなことを言う。
「今の人、ちょっとかっこいい。」
「えっ、数字も読めない、あんなひげおやじがいいのかよ。」
「ちがう、スチュアートが、よ。」
僕らは再び、この飛行機でも寝た。
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