そこに電話が鳴った。
リーン、リーン・・
特に何もしないでベッドにいるので、僕はすぐに出た。
「ハロー!?」
「Tデス。 今、何時デスカ? 」
僕は律儀に腕時計を見て答えた。
「えーと、8時15分」
「昨日の夜中に時間が変わって、今は9時15分デス。すぐに来てクダサイ!!」
バカヤロー、そういうことは早く教えるのだ。
メグミとすばやく荷物をまとめて出て行くと、Tはホテルのロビーのテーブルに座って、皿に盛られたスライス・トマトを食べようとしていた。
ん、だいたい、そのトマトはどっから出てきたんだ?
いずれにしても、Tは僕らはこんなに早く出てくるとは思わなかったに違いない。
Tは人を急がせて置きながら、塩を振りながら、スライス・トマトにフォークを刺して、悠々と食べた。
〔しかし、ずいぶん大量に塩をかけるねぇ〕
自分のペースで、トマトを食べ終わってからTはこういった。
「毎年3月29日に、冬時間から普通の時間に戻りマス。
ボクも忘れてマシタ。でも、今が『フツー』なので、大丈夫デス。」
だいたい何がいったいダイジョウブなのさ?
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