「仕事上の理由」で僕は旧・通産省というところに行ったことが何回かある。
誰でも必ず行くというところではないと思うので、一応、一般人的にはレア体験として書いてみたい。
通産省の建物に入るにはタクシー等で乗り付けて、一階の正面玄関から入る方法と、地下鉄・虎ノ門駅の直結している出口から階段を上がってそのままビル内に入ってしまう方法の二つがある。
初めて行ったときには正面玄関から入ったのだが、一番びっくりしたのは、
入り口のセキュリティーチェックが全くなかったことである。
確かにSPみたいな制服男が後ろで腕を組んで立っていたのだが、僕は何も見せずに中に入り、エレベータに乗ることができた。
ちなみに、その後何回かいくにつれ、正面玄関のみチェックがある場合や、地下鉄通路のみチェックがある場合があることが判明した。
チェックがある場合には、SPさんが建物に入っていくすべての人に
「身分証を提示してください」
と声を掛けられる。
で、僕のような人間が何を出すのかというとなんと「自分の運転免許証」を見せ、
これを見せるとSPさんはにこやかに
「どうぞ」
といって通してくれる。
こんな誰でも提示できるものを形式的に見せるチェックに何か意味があるのか、はなはだ疑問だ。
廊下やエレベータなどあちこちに案内板があり、行き先に迷うことはない。何もかもが漢字表示で建物の古さとあいまって重厚な雰囲気となっていた。
→ 大臣官房
← ××△△局 総務課
↓ ××△△局 ○○課
エレベータのx階について、行き先の部屋についた。
ドアから中を除くと、やや古くなったビルの一室に、ところ狭しと、机が並べられ、壁や天井から下がったプレートに机の配置図等が下がっていて
△△課長
××企画官
などと表示があり、どの机にどんな担当の人が座っているのかわかるようになっている。
余談だが、××省というところでは、省の中に△△局という区分があり、それぞれの局の中では
「総務課」というところが一番格上らしい。
それはそれとして、実質的に何もチェックを受けずにこんな所まで入ってきてしまったぞ !?
こんなのことで、いいのか?
アポの時間まで若干まだある。待っている間に廊下を探検した。
まずはトイレだ。
よし。
これでオレも通産省トイレ経験者だ。
薄暗い廊下の右手には、やや奥まった空間があり、中をのぞくと大きなコピー機が回っている。
化粧の濃い若い女性二人がいかにもだるそうにコピー機を回しながら他愛もないうわさ話に興じていた。
なんだか執務室の古風な「男性漢字社会」とはずいぶん違った雰囲気だ。
やがて担当官様が出てきてくれ、一緒にエレベータで更に上にいき、通路を通ってまた別のエレベータに乗り、角を曲がって進んだところにある、極めて大きな会議室に通された。
天井の高い部屋の真ん中に白い清潔なカバーのかかったテーブル、そしてその周りに背の高い椅子の並んでいた。
まあ、ニュースで有識者懇談会がなんたらこうたらとかアナウンサーが言っている間に画面に出る「資料映像」とかいう感じだ。
ところで、ステレオタイプな「高級官僚」というのは、頭はいいかもしれないがどうにも傲慢で鼻持ちならないやつらっていうことになっているが、幸い担当官様はそんな人ではなかった。
でも、なんでそんな話になってるんだろうねぇ~。
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2 件のコメント:
これ、おもしろい。
こういうネタもっと読みたいです。
ところで、その高い文章力をどうやって培ったのか、その秘密をまだ教えてもらっていないので教えてください!!^0^
いつもありがとうございます。
えーっと、こまねこさんは探検ものがお好みなんですね・・・。
探検ネタ、考えときま~す(笑)
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