ホテルのフロントで呼んでもらったタクシーに向かって、トランクを引いて歩く。
タクシーの運転手さんは車のトランクを開けて、僕の荷物・トランクを受け取って重そうに持ち上げてしまってくれた。
あっ、そうか。IRN-BRUが入っている分、きっと僕の荷物は重いのだ。
そこで走り出したタクシーの後部座席から僕は声をかけた。
「ごめんね、荷物重かったでしょ。
うちの会社のボスが仕事より、とにかくドリンクを買ってこいっていうから
ペットボトルが3本も入っていて重いんだ。」
すると運転手のおじいさんは、ちらっとこっちを見て言った。
「ドリンク? 酒か?」
「いや、酒じゃない。ソフトドリンクだ。」
「ソフトドリンク!?
お前のボスは狂ってるな。」
うーん確かに。
わざわざ海外で買ってきてくれと頼む嗜好品は普通、酒かタバコに決まっている。ちょっと入手が困難だからって、ソフトドリンクを買ってこい、なんて話は聞いたことがない。
トランク内での爆発リスクを抱えながら必死にIRN-BRUを運搬している僕はもしかすると、とても無駄な努力をしているではないか、という気になってきた。
IRN-BRUシリーズ終了
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