あるとき長時間の打ち合わせをようやく終えて、僕は夜のオフィスに戻ってきた。
オフィスには電気がついていたが、ほとんど人がいないように見えた。
(カギも掛かっていないが、全員帰ってしまって、誰もいないのだろうか?)
と、奥から英国人エクスパットのWがカバンを持って出てきた。
(あっ、人がいた)
「あのー、あなたがオフィスに残っている人の最後ですか?」
すると、Wは伏せていた顔をあげて、僕の目をちらっと見てから、一言。
「・・・キミが最後だ」
そういうなり振り返りもせず、ドアを開けてオフィスを出て行った。
ううーっ!? なんなんだぁー!!
オフィスに残された僕は、伝える相手のない妙な腹立ちを抱えながら一人、電気を消し、カギをロックして会社を後にした。
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