2009/05/22

バタード・コッドの悲劇

出張先の英国のレストランにコンサルのM君と入った時のこと。

店に入って、レストランで食事をしたいと伝えると、入口近くのバーのゾーンを通りぬけて、奥のレストランのゾーンに入るように言われた。

まだ夕方早くだからか、バーのカウンターには一人も客がいなかった。

さて

赤いテーブル・クロスのかかっている四角いテーブルについて、ふと上を見上げると天井から無数のハダカ電球が下がっていた。

ただし、点灯しているのは各テーブルの真上の一つずつだけだ。

天井を見上げていると、お店のにいちゃんがやってきた。

「ハーイ。この電球、全部点くのか?」

「ノー。残念ながら、これらはみんなデコレーションだから点かない。」

なんていう会話をして、彼はメニューをおいて行った。

コンサルM君とメニューの相談をした。

「さーて、今日は何を食うかなぁ?」

「昨日は、初日だったんで、私はまず、フィッシュ・アンド・チップスでしたからね。」

しばらくするとウェイター君が帰って来て、それぞれの注文をとっていった。

「で、今日は何を頼んだの?」

M君がメニューを再び広げながら答えた。

「えーと、この『バタード・コッド』ってやつです。」

「どれ?」

「ああ、これか。"Battered Cod"ってやつね。

 "Batter"って何?」


「さぁ? 乳製品のバターは "butter"で違いますよね。
 
 でも、とにかく"Cod"だから魚料理ですよ。」

それから僕らは注文したビールを飲みながら、昼間の会議の首尾について話をし、

そこにウェイター君が白くて長細い深皿をもってやってきた。

彼は迷わずM君の前にその深皿をおいて、うれしそうに言った。

「はい、どうぞ!

 フィッシュ・アンド・チップス!!」


「えっ!!」

大きな深皿の上には、きつね色に揚がった魚が載っており、両端からはみ出ていた。

そして、M君がそっと魚をめくると、皿の底には新聞紙が敷いてあり、その上には大量のポテトフライが。

「これってもしかして・・・・『バタード・コッド』か?」

「このサカナは確かにコッドですね。。。。」

間違いなかった。

「バタード・コッド」とは、「フィッシュ・アンド・チップス」のことだったのだ。

こうしてM君は二夜連続で巨大なフィッシュ・アンド・チップスと格闘しながら、うめいた。

「メニューに『フィッシュ・アンド・チップス』って、書いてくれよぉー。」


おまけ
"Batter" についてのWikiの説明。

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