2009/06/07

高級ホテルで煮炊きをするインド人(その1)

日本にやってきたインド人Vと初めてあって握手をしたとき、電話で話しをするよりも数段精悍な印象を受けた。

ウエストがぐっと痩せている。

さて彼と朝から行っていた会議がそろそろ昼近くになったので、僕は彼に尋ねた。

「そろそろお昼ですが、何か食べられないものはありますか?」

「私はベジタリアンです。」

「ああ、そうですか? じゃあ、そういうお店にしましょう。」

といって連れていこうとすると、彼は手を振った。

「いいえ。どこにも行く必要はありません。ここで食べてもいいですか?」

「は? ここで食べる?」

「ホテルでランチを作って持ってきました。」

彼はそういうと、持ってきた鞄の中からビニールに包まれたランチボックスを取り出した。

ええーっ!?

彼は、昨日シンガポールから日本に到着し、昨晩はそれなりの高級ホテルに泊まっている身である。

「その・・・ランチを作ったって、どういうこと?」

僕はまるでキツネに抓まれたような気分である。

「ホテルの部屋で、カレーを作りました。」

彼が泊まっている所は安ホテルでは全くない。1泊2万円の高級ホテルである。

「ホテルの部屋? どうやって?」

つづく



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