アメリカ人マリアンはあるとき、さも重要なことを知っているように僕に向かってこう言った。
「私も漢字を一つ知っているの。しかも、中国でも日本でも同じ文字。」
こういう話は、日本人としてやっぱりちょっとはうれしい。
「なんていう字を知っているの?」
「それは、『山』という字。書き順も覚えてるの。見てて」
彼女はそういって、近くにあった紙にペンで「山」とたどたどしく書いて見せてくれた。
山
「うん、あってる。しかも確かに書き順もパーフェクトだ。」
マリアンは続けた。
「覚えやすかったんだ。この字。山の形そのままだって教わったんだ。」
そういって、マリアンは漢字の周りを縁取るように山の絵を描いた。
確かに山っていう漢字は、象形文字であって山の形をそのまま字にしたことになっているので反論のしようがない。
でも、僕はどうも気になった。
マリアンの頭の理解では、すべての漢字は象形文字でできていて、ヒエログリフやもしかするとラスコーと同列になっているんじゃないかと・・・。
考えすぎだろうか?
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