2009/06/23

島内唯一の「教育用」信号機

ずいぶん昔のことなのだが、僕は小笠原諸島の父島に行ったことがある。

実は小笠原・父島というところには飛行場がない。

だから、父島に行くにはちょっと飛行機で、というわけにはいかず、必ず船で行くことになる。

東京・竹芝桟橋から、「おがさわら丸」という白い客船に乗り、えんえんと14時間の太平洋縦断大航海を経てようやく父島の中心・二見港というところにつく。

当時は衛星テレビもなかった。

おがさわら丸で伊豆諸島に沿って南下をして、八丈島をすぎるあたりまではテレビが映るのだが、それ以降はテレビも映らず。

だが、太平洋の真ん中を航海している頃、僕は船酔いに苦しみどっちにしてもテレビを見る余裕もなかった。

25時間の航海で、僕が酔って吐いた回数; 14回・・・あ~苦しかった。

船って、電車や車みたいに酔ったからって、止めたり降りたりはできないのだ。

ようやくへろへろになって到着した父島・二見港は南国らしい素晴らしい快晴だった。

二見港では群青色の「ははじま丸」が泊まっていた。

母島に行くにはここから更に「ははじま丸」で2-3時間かかるらしいが当分、船はこりごりだ。

おがさわら丸を降りた二見港の前には確か「おみやげ店が2店」あるきりだった。

記憶にある限り他に店らしき建物は全くない。(今はもっとあるに違いないが・・・。)

あまり建物もない二見港の前のT字路、といっても島を周回する道路から一本だけ2軒目の土産店まで伸びる約20mの分岐があるだけなのたが、そこにはやや場違いとも見える信号機が一本立っていた。

「こんなところに信号要るんですかねぇ・・・?」

すると意外な返事が返っていた。

「ここにあるのは小笠原諸島にある、唯一の信号機なんだ。

 小笠原の子供たちには、本土にいっぱいある『信号機』っていうやつを、

 これで教えるんだ。」



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