留学寮に新しく、コーイチローという名前の日本人がやってきた。当然、名前の通り男である。
さて
コーイチロウ、留学寮の事務所で働くアメリカ人マリアンのところで、契約手続きをやったのだがいろいろ面倒なことがあったらしい。
その後、マリアンはコーイチローを覚え、彼に会うとあいさつをした。
「ハーイ、コ・イチロー!!」
しかし、コーイチロー本人は、どうしてもこの
『コ・イチロー』
というアメリカ人式の自分の名前の発音が気に入らなかったらしい。
「ノー。僕の名前は『コーイチロー』だ。」
「ごめんなさい。『コ・イチロー』」
「ちがう。『コーイチロー』だ。」
「ソーリー、『コ、イチロー』」
マリアン的にはかなり努力しているのだが、音が伸びていないので確かにひらがな的には合っていない。
これをコーイチローは容赦しなかった。
「いやちがう。『コーイチロー』!!」
結局、マリアンはさんざん言いなおしをさせられたあげくに最後までOKをもらえなかった。
コーイチロー!! 契約の仇をこんなところで取るなよ!!
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