日本企業に勤めていたあるときに中国出張をして、中国の関係会社のオフィスを訪れたことがある。
さて
関係会社でちょっと先輩のHさんに会いに行くと、たまたまHさんは机に会社の管理資料を広げていた。
興味があったので、僕はずうずうしくも聞いてみた。
「この管理資料見てもいいですか?」
「あ、いいよ。どうせそっちにも送るしな。」
さて、こいつはコストの実績をまとめた表で、左端に人件費から費用の区分がならんでいた。
しかし、人件費の内訳はこんなふうに表示されていた。
人件費
日本人 ・・・・
中国人 ・・・・
合計 ・・・・・
僕はあまりに露骨な人種区分表現に心の中で反発を感じて、聞いてみた。
「Hさん、この日本人・中国人っていう区分はあまりに露骨でやばくないですか?」
でも、Hさんはぜんぜんそんなことは気にならないみたいだった。
「えぁ!! いいんだよ、そんなの。」
「でも、この表を作らせている相手は日本人じゃなくて、中国人でしょ?」
「ああ。問題ない。いいんだよ。」
僕は当事者ではないものの、この人種差別的な区分の書き方に、何か別の表現に変えてもらいたくて言ってみたのだが、今度はHさんがこうしたことにあまりに無頓着なことにショックを受けた。
単にナイーブすぎるだけかもしれないが、ここに今後も中国ビジネスが好転していかない未来を勝手に想像しつつ、また、どうしようもなく根深い何かに反発して、僕は会社が嫌いになっていた。
僕がその日本企業を退職するは、この10か月後のこと。
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