2009/06/06

カツ丼とガンプラとヘビメタ

あるとき日本にやってきたデンマーク人Bをつれて、ランチにカツ丼屋に連れて行ったことがあった。

日本に来て2-3日もたつと、いわゆる日本食にも飽きてくるだろうし、食わせるなら肉がいいだろうと思ったこともある。

「今日はもっとカジュアルなジャパニーズ・フーズはどう? カツ丼っていうんだけど。」

「いいよ。任せるよ。」

さて、このカツ丼専門店に入ると、カウンターしかないのでデンマーク人Bと並んで丸椅子に座って、各種あるいろいろなバリエーションのカツ丼の説明をするのも面倒なので、

「いろいろなトッピングがあるんだけど、とりあえずベーシックで頼んどくよ」

といって、一番ノーマルな、単なる「カツ丼」を二つ注文した。

店主が注文を受けて、カツを揚げたり、カツ丼専用の鍋に汁を入れて火にかけているのをカウンター越し見ながら、一応料理の説明をしていたのだが、デンマーク人Bはしきり後ろを気にしていた。

僕からの料理の説明が切れたところで、彼は質問してきた。

「一つ聞いていいか?」

「もちろん。何?」

「後ろのあれは何?」

彼の指さす方を見ると、棚があり、

その上にガンダムのプラモデルらしき彩色つきのロボットがずらーーーーと並んでいた。

これは店主の趣味なのだろう。

カツ丼が来て、二人で食べ始めた。

デンマーク人Bは、卵とじのついたカツの一切れを箸を使って頬張りながら、感想をもらした。

「この状況はどう考えても、国にいる俺の家族には伝えられそうもないと思う。」

「どうして?」

「特に俺の母親はデンマークからほとんど出たことがないんだ。

 聞いたことがないこのジャパニーズの料理、カツ丼、だろ。

 加えて、後ろにいるあのロボットたち。

 それに、かかっている音楽はずっとヘビメタだ。

 どうやって説明したらいいんだろう?」



面白いと思えたら、クリックお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ 全世界情報へ

0 件のコメント:

にほんブログ村 海外生活ブログ 全世界情報へ

Copyright (C) 2008-2014 たまーむ All Rights Reserved