ある日の朝のこと、いつものように会社に行くために家を出たときのことだった。
僕は近所の駐車場を借りて車を置いていたのだが、ふと歩きながら駐車場を見ると、僕の車の後ろガラスは棒か何かに殴られたかのように粉々に割れ、ガラス片があたりに飛び散っていた。
いったい何があったのだ!?
高級外車ならいざ知らず、10数年落ちの国産セダン。
CDはおろか、カーナビもついていないのに・・・・。
瞬間、フィラデルフィア西部の路地で見かけたガラスの割れた車たちを思い出した。
これらの車はガラスが割られた後に、茶色の段ボールでガラスの代わりに窓をふさがれ、そして段ボールの表面ではマジックでこんなことが書かれていた。
"No Radio, Nothing!!"
つまり、ガラスを割っても何も得るものがないよ、というアピール。
僕の車には一応、さすがにラジオくらいは付いていたが、駐車場内にはもっといい車や、いい装備の車ばかりが並んでいる。
なのに、どうして!?・・・・
物取り目的ではないとすると、僕を特定しての個人的ないやがらせか?・・・・・
翌日のこと。
その当時通っていたフランス語のクラスに行き、フランス人Eに車を壊された話をすると彼女は全く驚いた様子も見せずにこう言った。
「それは、バンダリズムね」
「バンダリズム?」
「そう、バンダリズム。
フランスにもよくあるわ。
特に若者が、意味もなく、車や、商店を壊すような行為。
社会に対する不満を表明したいするために行うから、
誰のものとか、何をとかは関係なく、
破壊行為自体が目的よ。」
結局、今でも僕の車をやった下手人は知れない。
Eのようなバンダリズムなのか、フィラデルフィアのような物取りだったのか(何かを取られた形跡はない)、個人的な嫌がらせなのか、はわからないままだ。
僕のポロ車には原因不明のまま、安全ガラス約8万円也が再度装着され、後日、全額保険でカバーされたのだった。
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