2009/02/28

警察の改善

ずっと以前、日本国内では外人がスピード違反等でつかまっても、日本語がわからないフリをしていると、そのうちに警官があきらめて許してくれる、という共通認識が在日外人の間にあったと思う。

スピード違反でひっかかって、本当は日本語がわかって、状況もよく理解しているのに、知らん振りして、そのまま無罪放免になった、というような話がいろいろな外人から良く聞かれた。

が、この状況は変わったと思う。

さすがに警察も類似の案件が増えてきて、対策を講じたのだろう。

英国人エクスパットのEは、日本語が全くできないが、スピード違反でつかまり、そのままあっさり免許停止となった。



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2009/02/27

テックス・メックスと本当のメキシカン

ある日のこと、僕はメキシコ人Aと昼食を一緒にとっており、なぜかメキシコ料理について話をしていた。

メキシコ人Aは力説していた。

「いろんな国で『メキシコ料理店』に行ったことがあるが、僕から見ると本当のメキシコ料理でないものが多い。」

「ああ、そう。キミから見ると彼らはインチキなんだね。」

「インチキとまでは言えないが、本当のメキシコ料理ではなくて『テックス・メックス』が多いんだ。」

「テックス・メックス?」

「メキシコの中でも、USとのボーダーに近いほんの狭い地域の料理をテックス・メックスというのだ!!」

まあ、テックスはおそらくテキサスを指し、"Tex Mex"とでも表記するのだろう。

「じゃあ、テックス・メックスと本当のメキシカンの違いはなに?」

「簡単だ。

 もし、タコスのシェルが小麦粉でできていれば、それは本当のメキシカンじゃない。

 それはテックス・メックスだ!!

 本当のメキシカンではコーンから作る!!


 もし、トルティーヤが小麦粉でできていれば、それは本当のメキシカンじゃない。

 それはテックス・メックスだ!!

 本当のメキシカンではコーンから作る!!

 ・
 ・
 ・

 もし、×××が ▽▽▽なら、それは本当のメキシカンじゃない。

 それはテックス・メックスだ!!

 本当のメキシカンは、□□□だ!!

 ・
 ・
 ・                 」


彼の熱い思いを反映し、テックス・メックスと本当のメキシカンとの差異を示す実例はえんえんと続いたのだった。

僕ら日本人は、海外に多い妙な日本料理店について、何がおかしいのかを、こんなに熱く、かつ具体的に説明できるだろうか?



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2009/02/26

扶余・落花崖にホイッスルで注意される子供達

韓国・大田(てじょん)のバスターミナルで扶余行きのバスに乗った。

そういえば、亡きじいさんは大田(てじょん)のことを「だいでん」と呼んでいたのを思い出す。

で、百済ゆかりの扶余に到着。

ここでは、扶蘇山という山があり、観光名所となっている。

山に登り始めると、後ろから

 ピピピピー

とけたたましいホイッスルの音。

振り返ると、ブルーのジャージを着た小学生高学年くらいの集団がやってきた。

 ピピッピー

ホイッスルを吹いているのは、明らかに先生だ。

 ピピー、ピー

道をそれている子供とか、他の子にいたずらしたりしている子供を見つけると、

先生は無言のまま「ピピッピー」とホイッスルを吹いてその子を指差して、

注意しているのだった。

がやがやした子供たちと、無言でホイッスルを吹き続ける先生。

確かに先生は怒鳴らなくてもいいのかもしれないけど、ちょっと違和感。

そうこうするうちに、落花崖に到着。

確か、百済滅亡の際にこの崖から、女たちが100メートルも下で蛇行している川に飛び込んだ姿からそういう名前になったと書いてある。

日本でいうと壇ノ浦という感じか。

僕は川の下をのぞき込んで落花の想像をしようと思ったのだが、

落花崖ではいつまでもホイッスルの音が響き続けていたのだった。


ここで韓国旅行シリーズ一旦終了

次の韓国旅行シリーズ


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2009/02/25

アラビア語の複数形

英語には、複数形っていうのがあって、"s"がついたり、活用も変わるしややこしい、ということに一般的になっているが、残念ながら知る限り西欧語にはみんな(?)複数形というものがある。

ところがだ。

アラビア語の教科書を見ていると、アラビア語はさらにその上をいく。

アラビア語には
 単数形、複数形のほかに、その間に 2形とでもいうべき活用がある。

たとえば、人を例にとるとこんな感じだ。
 単数形 〔=ひとり〕
 2形   〔=ふたり〕
 複数形 〔=さんにん以上〕

理屈なんかないだろうが、なんでこんなものがあるんだろう。慣れると何か便利な使い方があるんだろうか? 例えば、フランス語の男性形、女性形は、慣れると代名詞 le, laを同時に使って、短いまま誤解なくクリアに話しができる場合があるから、きっと、何かあるんだろうなぁ・・・。



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2009/02/24

"a"で終わる名前のイタリア男

あるとき、僕は一人のイタリア男を相手に、こんなことを聞いていた。

「イタリア人の名前を聞いても、それが男だが女だか、よくわかんないよ」

「いや、そんなことはないぞ。オレがいいことを教えてやろう。」

「ありがとう」

「いいか、イタリア人の名前、名字は関係ないぞ、を聞いたら、スペルを考えるんだ。」

「うん、それで?」

「基本的に男の名前は、全部"o"で終わる。女の名前は"a"で終わるんだ。」

「そうかぁ・・・」

「例をあげよう。

 たとえば、アンジェラなら、女だし、アンジェロなら男だ。

 簡単だろ。」


「・・・・・」(いろんな名前を思い浮かべてみる)

「・・・・・」(僕の様子を見て待っている)

でも、僕はふと気がついてしまった。

「ちょっと待って、でもキミの名前は男なのに、"a"で終わるじゃないか?」

すると彼は、こともなげにこういったのだった。

「ああ、そうね。僕の名前はちょっとした例外だ。」



このブログではすべての人名は変えるポリシーと謳っているので、もともとここに彼の名前を書くことはできないが、そんなことに関係なく僕は彼の名前をすっかり忘れてしまい、どんな風に"a"で終わるスペルなのか本当にわからなくなってしまっているのだった。




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2009/02/23

いきなり自己紹介と面白い話を求められる

英国で4日間の会議に参加した。

会議の冒頭で、いきなり約30人の参加者は自己紹介を求められた。

「こんにちは。皆さん、最初にまず、それぞれ自己紹介をしてください。

 名前と、それから何かあなたに関する面白い話を。

 それじゃあ、こちら側のあなたから。」


といって、司会者は端に座っていた僕を指さしてきた。

えぇ、いきなりびっくりするなぁ・・・。しかも、面白い話って・・・。

考えている時間もないので、とりあえず自己紹介をはじめる。

「こんにちは。日本から来ました。

 名前は ▽▽、といいます。

 えーと、面白い話は・・・・ありませんねぇ。。。」


「ワッハハハ」

驚いたことに他のいろいろな国から来ていた参加者達が、なぜか笑ってくれている。

何だか、気が楽になって、適当に続けてみた。

「替わりに、面白くない話をしましょう。

 昨日日本から着いたのですが、空港に僕のトランクは届きませんでした。

 トランクは今も行方不明のままです。」


オオー、と同情してくれている声が聞こえる。

僕はアゴをゆっくりさすりながら続けた。

「荷物がないので、今日は、ヒゲを剃れませんでした。

 どうかマナー違反をお許しください。」


「ワッハッハハハ!!」

会場が一層どよめき、僕はなんとか「面白い話」をすることに成功したのだった。



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2009/02/22

みんな一斉に左側通行に変わってください

アメリカでレンタカーを借りて運転をすると、日本とは通行が左右反対になる。

まず車からしていろいろ反対で、まず運転席が左にあって、というところまではまだいい。

ウインカーを操作するとワイパーが動き出し、

ワイパーを止めようとしてあせってレバーを引っ張ると、

ジョバー・ジョバーっと、ウォッシャー液を出してしまう。

たぶん右折が一番危険だ。

日本の左折のように角を小さく曲がればよいだけなのに、つい習慣で反対車線に入ってしまいそうになったりする。

まあ、ここまではよくある話だ。アメリカで運転するのに、

「こんなのやりにくい。日本もアメリカと同じにしてくれ。」

とそう言ったやつがいた。

じゃあ、といって、本当に左右反対にするとどうなるか。

こんなことを本当にやったケースが日本にある。

米国から返還後も沖縄はしばらく、アメリカ同様の右側通行だった。

ある日を境に、沖縄ではすべての道路を右側通行から日本流の左側通行に変えることになった。

当時、たまたま沖縄に住んでいた子供の僕は、この左右通行反転を一斉に行うための

「7 30 (なな・さん・まる)」

という名前の一大キャンペーンがあったのを記憶している。 

7月30日の朝(?)から、みんな一斉にすべての道路で左側通行に変わってください、という内容だ。

確か、青と赤の道路が交差して反対になるようなマークだった。

街ではすべての交差点で、使用中の信号とは別に、対角に反対を向いた730用の信号機がカバー付きで次々と建てられていった。

すべての交差点で両方向を向いた信号機が別々にあるという異様な光景である。

問題の日が近づくにつれ、子供心にもなんとなく高まるワクワク感・・・。

しかし、不幸にも僕は7/30を目前にして、「本土」に引越。

問題の日を沖縄で迎えることができなかった。

7/30当日には、沖縄全土で反対レーンに入ってしまいそうになって『おっととと』なんてやっているドライバーがあふれていたに違いないのだ。

あーあ、残念だ。

おそらくは二度と見れそうもないレアなイベントだったのになぁ。。。



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2009/02/21

英国・入国審査で訪問に意味がないと認めてしまう

先日、英国入国時に女性の入国審査官にこんな質問をされた。

「今回の英国訪問の目的は?」

「訪問の目的は商用(ビジネス)です。」

通常、日本人の場合には、入国審査の問答はこれ以上進むことはあまりないと思うのだが、この日は一味違っていた。

さらに質問がつづいたのだ。

「どんなビジネスなの?」

審査官殿は、僕のパスポートをめくりながら僕の返事を聞いている。

「4日間の社内会議にでるように招集されたので来ました。」

「会社はどこにあるの?」

「○○○(場所の名前)です」

「それで、その会議にはどんなベネフィットがあるの?」

ここで、僕は返答に窮してしまった。

日本から誰か出ないとまずいから出てくれ、と急に言われてきたので、まだ会議通知書もろくろく読んでいないし、社内会議にベネフィットなんかないこともしばしばだ。

とっさにうまい返答も思い浮かばない。

「・・・・え、えーとですねぇ・・・何かわからないまま呼ばれて来たですけど、もしかしたらベネフィットはないかもしれないです。」

なぜか審査官殿は、僕の回答を聞き、黙って入国スタンプを押して通してくれたのだった。

なんでだろ?



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2009/02/20

中国に天津甘栗はない


香港人の黄さんと、山東人の徐さんと話をしていてあるときに、こんな話題になった。

黄「日本ではよく『天津甘栗』っていうのが売っているけど、中国では見たことないね」

徐「あれは中国にはないです。天津が栗が有名なんて聞いたことがありません」

黄「じゃあ、なんで『天津』なのかな?」

徐「中国から輸出するときに、港が『天津』から出て行くからじゃないですか、きっと。」

うーんそうなのか中国には天津甘栗はないのか。。。。と思って、じゃあ、中国で地名がついている食べ物ってどんなものがあるか聞いてみた。

「楊州炒飯」〔ようしゅうチャーハン〕

「厦門米粉」〔アモイビーフン〕

うーんどちらも日本ではあまり見ないなぁ・・・。





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2009/02/19

セキュリティーカードを三回なくしたフランス人

先日、会社にビジターとして一週間日本に滞在したフランス女性のVさんに僕は滞在最終日にこう言った。

「じゃあ、最後にセキュリティー・カードを僕に返して行ってくださいね。」

するとVさん、ちょっと、いたずらっぽい顔をしながらこういった。

「ごめんなさいね。トイレでなくしちゃって、無いの。ごめんね。」

うふふ、っていう感じ。

Vさんって、実はかなり偉い人なのだが、こんなときには全然そんな感じがない。

僕は「うふふ」に負けて簡単に彼女を許してしまった。

が、Vさんが帰った後で、このことを伝えると秘書コズエさんが膨れて言った。

「えーっ!! も~!! あのカード三枚目よ!!」

僕もびっくり。

「えっ、そうだったんですか?」

「トイレでなくしたっていうから、二回も新しいカードを渡したのに~。」

そうかぁ、Vさんは一週間にトイレで三枚紛失。

でも、僕の心の中ではなぜかコズエさんの膨れっ面よりも、Vさんの「うふふ」が圧勝していたのだった。

なんでなんだろ。



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2009/02/18

ブラウン vs パナソニック

ヒゲ剃り機の二大メーカー、ブラウンとパナソニック電工の広告にはカルチャーの違いを感じている。

ブラウン
  「そり残しなし」

パナソニック電工
  「水で洗えます」

つまり、ガイジン・チームのブラウンは、こんな論法を取っているわけだ。

・ヒゲ剃り機とは ヒゲをそるための機械である

・ブラウンのヒゲそり機は、ヒゲをもっともうまく剃ることができる

   → だから、ヒゲを剃るなら、ブラウンのヒゲ剃り機を

これに対して、パナソニックはきっと、わざわざ「ヒゲ剃り機とは」なんてことは考えず、

とにかく消費者意見を聞いてみた、という感じだ。

僕は普段、ブラウンを使っているのだが、先日、実家にあるパナソニックを使ってみてふと思った。

ん!? 置いたときに、ヒゲのカスがあまり棚にこぼれない・・・。

メイン機能である深剃りの違いがわからず、カスの違いが気になってしまった僕はやっぱり日本人!?




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2009/02/17

レストラン内の小さな革命

学生だったころ、僕はいろいろなレストランでバイトをしていた。

今はなくなってしまったフレンチ・レストランでウェイターのバイトをしていたときの話。

レストランは一階と二階とに分かれていて、僕はいつも2階でレストランで最近、本店からやってきたというKさんという人の下で働いていた。

レストランの中っていうのは、通常、厨房世界と、客にサービスするホール世界とに分かれているのが普通だ。

大げさに言うと商工分離とでもいうのだろうか。

で、厨房のボスとしてシェフがいて、一方のホール世界のボスとして、「店長」がそれぞれいた。

シェフは自信たっぷり、フランス仕込みの日本人。

店長はまた、なんていうのかな、いかにももてそうな、ちょい悪系の日本人。


二人はウマがあっているようにも見え、いつも客もうまく入っていた。

さて

ある日の午後のこと、僕がバイトに店に行くと、Kさんのところに行くとこう言われた。

「あのさ、今日からさ、シェフも店長もいないから。」

「は?」

「シェフと、店長はずっと『ワインの横流し』しててな。

 いろいろ調べて、はっきり証拠をつきつけたんだ。

 だから、シェフと店長も、もう二度と戻ってこないから。」


「はい、わかりました」

いったいそれ以上何をいうことがあろう。

そういえば本店からKさんがやってきたのが約2か月前。

アクの強いシェフと店長に実直に従っているように見えて、実はKさんは、

横流し調査のために本店から送り込まれたエースだったのだ。

かくて、シェフ&店長コンビは店から永久に追放された。

店内に革命が起こったのだ。

かつて力の弱いナンバースリーとも見えたKさんは厨房世界をも統べる絶対権力者に変わった。

数か月後には、Kさんは一階の隅の席に彼女を呼び、特別料理を出すまでになっていた。

今? 跡地は全然違う居酒屋になってます。



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2009/02/16

自動ドアは減っているか?

私見だが、もともと日本は、欧米よりも自動ドアが多かったと思うのだが、ここ数年日本国内では、自動ドアが減ってきているように思う。

近所のコンビニでも、入り口は手動だ。

そもそも自動ドアってなんのためにあるんだ?

「・・・・・・便利だから」

なんで、便利? 

ドアが重たいから?  軽くすればいいじゃん。

「・・・・・手を使わなくても、ドアがあく」

ほんとにそんなものは必要か? ハンディキャップのある人には、手であけてあげればいいのではないか?

しかも、自動ドアっていうのは、開かなくてもいいときにも開いてしまうことがある。

そんなわけで、僕には自動ドアっていうのが何のためにあるのか良くわからないのだが、
そのわからない目的のためにわざわざお金を掛けて、機械を設置する目的っていうのは、
さらにもう一つわからない。

思うに、日本の一般商店で自動ドアが多かったのは、スタイルが主要な理由ではなかったか?

「うちのお店は自動ドアをつけるくらいに立派なお店なんです」ってね。

でも、実はあんまり役に立たないし、イマドキは自動ドアがあるからって、そんな風にも見てもらえない。

だから、一般商店から自動ドアが減ってるじゃないかな、って、思っている。




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2009/02/15

トルコの格言

あるときアメリカ人外資エクスパットのキャシーから届いたメールのシグニチャには次のような格言がついていて、トルコの格言であると説明されていた。

いわく、

"No matter how far you have gone on the wrong road, turn back."

つたなく訳すとこんな感じか・・・

「どんなに遠くまで来てしまっていても間違った道は引き返せ」

なかなか味わい深いんだけど、なんでわざわざトルコの格言なのか?

それともこれが日本人にいいたいことか?



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2009/02/14

残波岬のイワガニ

沖縄県 残波岬。僕にとっては特別な場所である。

先日、姉が30年ぶりにこの地を訪れて、携帯で写真を送ってくれた。

子供の頃、この場所にはよく大潮の日に訪れて一家で潮干狩りをした。

まず、潮が引く前に現地に到着して、潮が引くのを待つ。

残波岬は潮が引くと岩場潮溜まりがずっーと広がるので、潮が引くのにあわせて順番に沖に向かっていき、潮溜まりにいるサザエなどをガッサリ取って帰ってくるのだ。

大人たちが、サザエや、シャコなどを必死になっている横で、幼稚園児の僕はなぜかいつも、イワガニというカニを取っていた。

イワガニは、小さな僕が人差し指と親指で捕まえるのに丁度いい大きさだった。

茶色くて、甲羅の表面全体は小さな丸いブツブツで覆われ、岩場のくぼみに隠れている。

イワガニが穴に完全に入りこむ前に甲羅を押さえて捕まえたり、あるいは岩に張り付いているイワガニを人差し指でうまく引き剥がして、甲羅を後ろからつかんでバケツに放り込む。

ところで、このイワガニっていうカニは、食えるわけではなく、見ても綺麗なものでもなく、つまり何の役にも立たないのだが、僕は誰に言われたわけでもないのに、一日中イワガニ採りに没頭し、大人たちがサザエをバケツ一杯取って引き上げる頃には、数十匹のイワガニを取っていた。

さて、僕は、イワガニが何も役に立たず、そんな簡単には飼えないこともわかっていたのだが、帰るときにイワガニをどうしても逃がすことができなかった。

あんなにがんばって捕まえたものを、そんなに簡単に逃がすわけにはいかない、みたいな所有欲。

バケツ一杯にうごめくイワガニを持って意気揚揚と家に帰ってきた僕は、ベランダにバケツを置いて寝た。

その翌朝、僕はイワガニがどうなったのかバケツを覗き込んで

「おぇーっ!!」

と叫んでいた。

バケツの中では、数十匹いたイワガニが全て死んでいた。

数十匹の「死にガニ」のにおい。

幼稚園児の僕は、その日、自分の所有欲によって引き起こされた当然の帰結に直面し、深く後悔したのだった。

僕は、残波岬の携帯写真を見ながら、今一度、あのカニ達の冥福を祈った。



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2009/02/13

タックス・リファンドの建前

消費税・付加価値税っていうのは、その国の国内での消費に対してかかる税金、とコンセプト的には決められれている。

じゃあ、「消費」ってなんだ、ってことになると、実務はこんなことでいいのか、と思う。

先日、ヘルシンキ市内でお皿を購入し、免税処理のために梱包に封印のテープを掛けられた。

これは、コンセプト的には、もし封印をあけたら、フィンランド国内でそのお皿を使った・つまり、消費したと見なすので、封印が開いているものは、旅行者が購入していようと、国内消費なので免税にはしない、ということなのだろう。

免税手続きのパンフレット上は、単に封印を開けてはいけない、かつ、還付のカウンターでは商品を確認する、などと説明が書いてある。

ところで、飛行場内で消費税・付加価値税の還付のカウンターは、セキュリティーと出国手続き後にしか行くことかできない。

つまり、税金還付対象の商品は、飛行機の乗るときの預け荷物としてチェックできないのだ。

 〔手続き的には日本に帰ってから、何らかの書類を送ったりして取り返す方法はあるかもしれないが・・・〕

僕は仕方なく、購入した皿を飛行機に持ち込む荷物に入れ、免税カウンターに行った。

「ハロー。このレシートです。お願いします。」

すると、免税カウンターのお姉さんは、商品を見せろと言うともなく、レシートのみを見て、計算機をたたき、30秒後には僕の手元にわずかなお小遣いが渡されたのだった。

なんだよ~。

商品チェックがそんなにコンセプトから来た形式的なことになり下がっているのだったら、「商品見せろ」なんていう建前をパンフに書くのはやめてもらいたい。



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2009/02/12

サウナ・モーホー事件

留学寮から近いところにあった大学のプールをときどき利用していた。

一応、ときどきは運動のために泳ごうとしていたわけだが、泳ぎ終えて男性更衣室内にあるサウナに入っていると、いろいろと話かけてくれる人もいたりして、まあ、狭いサウナで違う人と話をすることもあったのだ。

ハダカの付き合い、というやつだ。プールなのでみんな水着を着てるけどさ。

ある日のこと、サウナで一人であったまっていると、一人のおじさんが入ってきて座り、話しかけてくれた。

「どこから来たの?」

「日本です」

「そうかい。・・・ところで、アジアでは運動後に筋肉マッサージをよくするらしいね。」

「ええ、まあ、筋肉痛になったら友人同士でマッサージしたりしますね。」

「実は僕もちょっとマーサージをすることができるんだ。

 ちょっと肩をもんであげよう。

 じゃあ、後ろを向いて。」


おじさんは、僕の後ろに回り、両手で僕の肩をもみはじめた。

と、別のにいちゃんがドアを開けて、サウナに入りかけてきたのだが、僕らの姿を見ると何か見てはいけないものを見たかのように、逃げるように去っていってしまった。

「ん?」

なんだ今のは。

そうこうするうちに、肩をもんでいたはずのおじさんの手はだんだん腕にさがってきて、

あっ、と思った時にはつかまれてしまった。

僕はさすがにやばいと思い、

「そろそろこのサウナは熱い」

とか言って逃げてきたのだが・・・。

結果からすると、途中で入りかかって出て行った、にいちゃんのリアクションは正しかった。

きっとこんな感じだ。

・サウナのドアを開ける。

・中には、いちゃつく、モーホーが二人。

・げっ!! と思って、立ち去る


あ~あ、なんか落ち込むなぁ・・・。



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2009/02/11

一緒に仕事をしにくい人種?

ペーパーパックおたくの僕のおやじによると、ネルソン・デミール〔Nelson DeMille〕の小説での登場人物のセリフに次のような内容のものがあったらしい。〔又聞きのうろ覚えなの以下翻訳ではない〕

「一緒に仕事をするのに、やりにくい人種がある。中国人も、イタリア人もまあいい、でもやりにくい人種があって、韓国人と日本人、そしてイラン人がそれにあたる」

ネルソン・デミールなので、前提として軍隊的な作戦行動をするのに、という前提の話なんだろうとは思うが、内容があってるかにかかわらず、このような内容理解がシェアされているとすれば、本当は問題だ。

イラン人には会ったり話をしたことがないので、この部分についてはまったく想像がつかないが、米国人から見て、韓国人と日本人に別の扱いが必要だ、という理解は、わからんでもない部分がある。

何か共通する一般的な傾向があるとすると、外からのスピーチのみでは個人行動が変わらず、別途内部コンセンサスが必要があってはじめて行動を変更する、というような傾向があるんじゃないかなぁ、と思う。



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2009/02/10

インドの天才少年

観光旅行でインドのジャイプールに行ったときのこと。通りすがりのおじさんに英語で話し掛けられた。

「見てくれ、この子は本当に天才で、20ヶ国語をしゃべるんだ。日本語だってできる。」

などという。見ると小学生くらいの男の子だ。

ホントかなと思う反面、あいさつくらいに限れば20ヶ国語できるんだろうな、とも思う。

でも、素直に日本語で話し掛けるのも面白くないので、なるべくもったいぶって古めかしく話し掛けてみた。

「その方、それに相違ないか?」

なんのことはない、その子からは何もリアクションはなく、全然無視されたのだった。



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2009/02/09

コモンセンスで適切に

あるとき、英国人が事務処理要領をドキュメントにして、メールで送ってきた。

添付のドキュメントを開いて見ると、こんなことが書いてあった。

「×××については、コモンセンスを使って、適切に("appropriately")に処理してください。」

だから~、なにが適切と思ってるのか書いてくれないと、ドキュメントの意味がないんだけどなぁ・・・。

もっとも、もし何か行き違いがあっても、こちらも

「このドキュメントを読んでこれこれこういう理由で、これが適切と考えた」

などと説明すればいいだけなのだが、やっぱりドキュメントに書いていることに意味がないことには変わらないのではないのだった。





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2009/02/08

フライト時間の簡易計算

飛行機の予約をするときに、旅行会社からは必ず、出発時間と到着時間がローカルタイムで与えられるが、予約票にそのフライトの飛行時間が書いてあるのはあまりみたことがない。

だから飛行時間は、わざわざ聞かないとわからないのだが、実は飛行時間を見る必要がある人は結構いるのではないか?

会社の出張の場合、飛行時間が何時間以上ならビジネスクラスを使ってもいい、とか、あるいはクラスのグレードアップができなくても出張の日当が変わる、とか何かの社内ルールがあることが少なくないからだ。

ところが、社内ルールっていうのは、こういう場合結構いいかげんというか、ちゃんと決めていないことが多くて、単に飛行時間が何時間っていうだけなんだけど、行く場所が遠くなると、行きと帰りが時間が異なってきて、そんなに簡単に何時間っていいきれないこともあるが、とにかく会社の出張で初めての場所に行くときには、飛行時間がほしいときがある。

でも、いちいち聞くのもめんどくさいし、そんなに正確である必要もない。

そこで、こんなことを考えた。

「行き帰りの出発・到着時間から、往復の平均飛行時間を概算できないか?」


やり方

1.まず、往復の到着時間から出発時間を単純に引き算する

行きの単純差引 =  出張先のローカル到着時間 - 日本の出発時間

帰りの単純差引 =  日本の到着時間 - 出張先の出発時間

2.単純差引の時間はコンセプト的には次のような内容を示すはず

行きの単純差引 = 行きのフライト時間 - 時差

帰りの単純差引 = 帰りのフライト時間 + 時差

3.往復の単純差し引きを合算すると時差が相殺され、往復のフライト時間が残る

行きの単純差引+ 帰りの単純差引 = (行きのフライト時間 - 時差) + (帰りのフライト時間 + 時差)

= 行きのフライト時間 + 帰りのフライト時間

4.往復の単純差し引きを2で割ると、行き帰りの平均フライト時間が出る

 (行きの単純差引+ 帰りの単純差引) /2 = 行き帰りの平均フライト時間

これなら、行き帰りの差に惑わされることなく、出張のためのフライト時間を計算できるし、しかも旅行会社に追加情報をわざわざ聞く必要もない。

この考え方は何か間違っているだろうか?



出入国トラブルと航空会社のエピソード



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2009/02/07

国連の投票権に不満あるインド人

あるときインド・カルカッタ出身のベンガル人、アーリジットが国連について語り始めた。

「僕は国連の投票の仕組みに不満があるんだ。」

「なんで?」

「国連は、一国に一票の仕組みだよ。それぞれ国別の事情っていうのがあるはずなんだ。」

「どういう意味?」

「インドっていうのは、そうねぇ、ヨーロッパみたいなものなんだ。

 民族もたくさんいるし、言語もたくさんある。

 それに面積だって、人口だって、いろいろな歴史だってヨーロッパに匹敵する。

 今はたまたま国が一つなだけだという理由で国連で一票しかないのは不公平だ。」


まあ、彼のいいたいことはわからんでもない。

「じゃあ、何票あればいいんだ?」

「まあ、最低10票はあっていい。」

10票の根拠はよくわからないが、民族の違う州の数とかいいだして新ルールを作るとすると、ヨーロッパの場合、ベルギーは2票に増え、オランダは3票に増え、英国は4票に増えてしまったりして、結局、アーリジットの目指す是正は果たせないような気が・・・。



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2009/02/06

とても不親切なパリのサンドイッチ屋

TGVでフランス人の車掌と口論したあげくに罰金まで取られ、不機嫌なまま僕はパリに到着した。

もう夕方である。

とりあえず、何か食べよう。。。

駅の中をあるいていると、なにやら片付けをしている露天のサンドイッチ屋があった。

僕がどんなサンドイッチがあるのか眺めていると、サンドイッチ屋のにいちゃんが話しかけてきた。

「ねぇ、キミ。ペンを持っていないか?」

「あぁ~、あると思う。ちょっと待って。」

あとからよく考えると、なんでサンドイッチ屋が通行人にペンを要求するのか、おかしなことだが、その時は何も思わず、リュックの中にはペンがあることを思いだしただけだった。

僕は背負っていた赤いリュックを下ろして、チャックを開け、見知らぬフランス男・サンドイッチ屋のために一生懸命ペンをがさがさ探し、ついにペンを探して取り出した。

「あった!! はい、ペンだよ、どうぞ。」

サンドイッチ屋は

「ありがと。」

といって受けとり、紙になにやらメモをちょっと書いて、ペンを僕に返した。

彼の書きつけ作業が終わったので、今度は僕はサンドイッチ屋に言った。

「このサンドイッチを一つくれる?」

するとサンドイッチ屋のにいちゃんは冷たく一言。

「今日は、もう店じまいだから売らない。」


なにー!! 

こっちはわざわざリュックを下ろしてペンを出して、貸してやったのにそんなこというのかよー!!

ここに至り、僕のフランス人不信は決定的となった。

これ以後、約10年間にわたり僕は「フランス嫌い」になる。


僕の中でフランス人が復権し、フランス好きに変わるのは、後にふとしたことからフランス語学校に通うようになり、彼らのやり口を理解してからのことなのだった。




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2009/02/05

ATMで黒人の子供たちに囲まれる

聞くところによると当時、僕の住んでいた留学寮のある町は、全米犯罪率1位だったらしい。

そんな理由もあってか、僕の体験したダウンタウンの様子は通常の米国留学者が体験する郊外の美しい緑に囲まれたキャンパス、というような状況ではなかった。

たとえば、ATM。

日本で、銀行ATMオンリーの出張所では銀行カードがなくても、とりあえず建物の中に入れるが、近所のATMは、まずドアのところで、その銀行のカードを入れると鍵が開き、そうして初めて建物に入れるようになっていた。

〔ちなみにコンビニ内のATMにはこういうドアはなく、普通に店内にマシンが置いてあるだけだ。〕

ある日の昼間のこと。

お金を下ろすために、とある誰も中にいないATMの建物に入って、ATMからお金を取り出したとたん、背後で大きな物音が聞こえてきた。

ダンダンダンダン!!

振り向くと、小学生くらいの黒人の男の子が5人、入り口ガラスのドアをゲンコツでたたきながらなにやら叫んでいる。

彼らの興味が僕がATMから下ろしたキャッシュにあるのは明らかだった。

もちろん彼らは銀行カードをもっていないので、建物の中には入ってこられない。

なるべくゆっくりお金を財布にしまいながら考えた。

建物の中は安全だ。このまま出ずにこの4畳半くらいのATM以外に何もないガラス張りの建物内に居続けて待つか???

でも、そんなことをしたらキャッシュを持っているのが明らかな上で、あの男の子たちに僕がビビッているのがバレバレだ。

どうするか・・・・

まだ、昼間の2時くらい。彼らはいくらでもドアの前に待っているかも・・・。

出たらすぐ大通り。人通りも見える。

意を決して、財布をポケットにしまい、なるべく胸を張ってドアをあけた。

つとめて平静を装って子供たちを一瞥すると彼らは黙って道をあけくれたので、そのまま大通りを歩いていった。

僕には振り返る勇気はなかった。

今にして思う。彼らは、いい子たちで単にいたずらでドアをたたいていただけかも、と。



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2009/02/04

あばれる会社

中国人女性の張さん、日本の会社で働いてることもあって、ときどきイントネーションが少しおかしいことをのぞけば日本語ではほとんど不自由しなかった。

ある日のこと、張さんに友人Xを紹介した。

「張さん、こちらはアパレル会社に勤めていらしっゃるXさんです。」

すると張さん

「こんにちは、張と申します。

 『あばれる』の会社はどういう意味ですか?」


あわてて訂正してみた。

「いやいや、『あばれる』じゃなくて、『アパレル』の会社・・・・」

「ああ、『アパレル』の会社。

 それで『あばれる』はどういう意味ですか?」


一応先に彼女の質問に答えておく。

「『あばれる』じゃなくて、『アパレル』で、『アパレル』の会社は洋服とかを作っているんだ。」

すると張さんはこう言った。

「ああ、わかりました。

 洋服を作る、『あばれる』会社。」


どうやら、アパレルという発音はどうも彼女には難しいらしいのだった。



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